世界が注目する銘醸地!北海道エリアのワイナリー
いま、日本ワイン界で最も注目を集めているエリアが北海道。抜群の環境を生かした、高品質なブドウやワイナリーの個性を、ぜひ味わってみてください。
バイヤー、日本ワイン通、海外のファンまで。北海道は、いま注目度No.1のエリアです。
日本の銘醸地の中でも、特にチェックしておきたい北海道エリア。余市町や仁木町、富良野地区を中心に、札幌近辺などにも新しいワイナリーが増え、活発に活動しています。広大な自然を擁する北海道の農園はブドウを始めとする果物の栽培も盛んで、高い栽培技術を誇ります。また、ウイスキーの生産でも有名な土地柄で、ベースとなる醸造技術が確立していたこともワイン産業の発展に一役買っているようです。今では、ブドウの生産・醸造から販売、それに付随するサービスまでがひとつになった6次産業化の推進やワインツーリズムも発達し、地域をあげてワイン産業をもり立てています。
※写真左から1番目はイメージです。『峠のナイアガラ』は完売しました。
写真左から:
ばんけい峠のワイナリー/峠のナイアガラ/SOLD OUT
ドメーヌレゾン/【ドメーヌレゾン×wa-syu】オレンジワイン 2022
ドメーヌ・イチ/ICHI Cidre 2020
ベリーベリーファーム&ワイナリー/ブルーベリーワイン
多田ワイナリー/2020 シャルドネ
北海道のワイナリーの強みは、なんといっても寒冷な気候と雄大な自然。土地の個性を生かした品種を中心に、高品質で美味しいワインが生まれています。
北海道の中では比較的温暖な気候を生かして、もともとは生食用のブドウを生産していた余市エリア。ワイン用品種として、寒冷地で良質の果実が育つドイツ系品種のケルナーやバッカス、オーストリア系のツヴァイゲルト・レーベ、セイベルなどの栽培が盛んになりました。近年では世界的な温暖化が進み、本土ではブドウの生産が難しくなっているエリアもある中で、北海道ではむしろ栽培できる品種が増えているとも言われており、今やワイン用のブドウ品種の37%は北海道で生産されているほど。フランス系品種のピノ・ノワールなど、作られている品種も増えてきました。また、大消費地である札幌の周辺では、地の利を生かしたワイナリーも登場。新しいスタイルのワインが生まれてきています。さらに、富良野地区にはヤギを飼うことで資源のロスを減らした循環農法にこだわるワイナリーや、寒さと戦いながらも良質なブドウを栽培する農園が台頭するなど、その独自の発展には目が離せません。
wa-syuがセレクトしているのは、人気・実力共にトップクラスの、6つのこだわりワイナリー。
個性豊かなワイナリーの中から、現在wa-syuがセレクトしているのはこの6カ所。いずれも品質にこだわった、高い次元で味わいを追求しているワイナリーです。注目エリアは、札幌にも比較的近い余市周辺と、北海道の真ん中でひときわ寒暖差の大きい富良野エリア。ブドウの栽培方法や醸造過程でも決して妥協することなくものづくりを続けている、オリジナリティあふれるワインを、ぜひ味わってみてください。
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札幌の中心部からもほど近い、都市型としての側面も。『さっぽろ藤野ワイナリー』。
大消費地の札幌市の中心部から車で約35分の場所に存在し、気軽に行くことができるワイナリーとしても人気の『さっぽろ藤野ワイナリー』。オーナーを務める姉妹の、今は亡き弟が「できるだけ農薬を使わずにブドウを栽培して体に良いワインを造ってみたい」と提案したことがワイナリーの始まりだそう。3人で協力してブドウ栽培に挑み、4年越しでワイン造りやワインアドバイザーの勉強もしたそう。多くの試練を乗り越え、夢半ばで逝った弟の遺志を継いで姉妹が生み出したワインには、あふれる想いと時間が詰まっています。
2000年春から土地や気候に合う品種、栽培方法などに試行錯誤を繰り返しながら、およそ10年がかりでブドウ畑を広げ多品種のブドウを栽培。自社もしくは北海道の契約農家で大切に育てられたブドウのみを使用しています。また、丁寧な選果実をし、野生酵母で醸造。亜硫酸塩(酸化防止剤)を最小限に抑え、無濾過で、より自然に寄り添うワイン造りを目指しています。
さっぽろ藤野ワイナリー
[名称]さっぽろ藤野ワイナリー/さっぽろ藤野ワイナリー株式会社
[住所]札幌市南区藤野670番1号
[ワイナリー営業時間]11:00~18:00
[概要]札幌の中心部から車で35分ほどのワイナリーで、2009年から醸造をスタート。自社畑産と北海道内の契約農家産のブドウのみを使用し、1房ずつ選果をおこない、醸造します。発酵は自然に任せ培養酵母・酸化防止剤・添加物などをできる限り使用しません。浦本忠幸(うらもとただゆき)氏が醸造担当を務めるようになり、ますますナチュラルワインのニュアンスが強い興味深いワインをリリース、注目を集めています。フランス人とのコラボでのワイン造りでも有名。
歴史ある農園が、雪との共存でチャレンジした野生酵母のワイン。『多田ワイナリー』。
北海道のちょうど中心部・富良野盆地。大自然の恵みを受け、ひときわ寒暖差の大きい土地で営まれている、歴史ある農園が『多田農園』です。2007年よりピノ・ノワールからブドウ栽培を開始、2011年には植えていたメルローが凍害にあって全滅するなどのアクシデントに見舞われながらも、一つひとつ克服。ブドウの幹に雪をかぶせて凍害を防ぐというオリジナルの手法で栽培されたブドウは、他にはないきれいな酸の、極上のワインになりました。ようやく収穫した上質の果実を使って、委託醸造でワインのリリースを開始、2016年には自社の『多田ワイナリー』を開設。すべて野生酵母による発酵で、土地そのものを感じられるワイン造りを続けています。多田農園3代目の多田繁夫(ただしげお)さんが目指すのは、「多田ワイナリーを地域のワイナリーとして育て上げること。そして、地域にヴィンヤードやワイナリーが数多くでき、ワイン文化の香り高い豊かな地域文化づくりに微力ながら貢献すること」。さらにブドウの無農薬栽培の試験を始めるなど、次世代に引き継ぎ発展させるべく、日々奮闘しています。
多田ワイナリー
[名称]多田ワイナリー/有限会社多田農園
[住所]北海道空知郡上富良野町東9線北18号
[ワイナリー営業時間]ワイナリーにお問い合わせください。
[概要]北海道のほぼ真ん中の位置、寒暖の差の大きい富良野盆地で、野生酵母による自然な造りのワインを手がけているワイナリー。1901年(明治34年)から代々引き継がれ、現在はワイン用ブドウ、にんじん、とうもろこしをメインに栽培している『多田農園』が運営しています。代表取締役は多田繁夫(ただしげお)氏。2016年のワイナリー開設のきっかけとなった「ピノ・ノワール」を中心に、その大地で元気に育ったブドウを、ひと粒ひと粒手作業で収穫。野生酵母によるワイン造りは手間もかかりリスクも伴いますが、その土地そのものを感じることができる、大変特徴的なワインを生み出しています。また、多田農園では、ワイン造りのほかに、自社畑で栽培したにんじん、梨、ブドウを使ったオリジナルジュースの製造・販売をはじめ、プチペンション田舎倶楽部の運営もおこなっており、作物づくりを中心に、加工や体験、宿泊などを通して「こころとからだにやさしい食と暮らしを提案する農園」を目指しています。
ベリーベリーファーム&ワイナリーから誕生した、注目の新星『ドメーヌ・イチ』。
『ベリーベリーファーム&ワイナリー』が位置する余市・仁木エリアは、梅雨や台風の影響が少なく、夏は湿度が低く昼夜の寒暖差が大きいという気候と土壌条件に恵まれ、近年多くのヴィンヤードとワイナリーが作られています。このエリアで2011年に、日本で初めてのオーガニック認証を取得したのが『ベリーベリーファーム&ワイナリー』です。代表の上田一郎(うえだいちろう)氏は、土壌作りから徹底したこだわりの管理をおこない、化学肥料や除草剤などの農薬を一切使用せずに有機JAS認定の健全な農作物を育て上げています。上田氏が、新たな醸造所『ドメーヌ・イチ』を開設し、大きな話題となりました。『ドメーヌ・イチ』でも2021年にオーガニックワイナリー認定を取得。環境と人にやさしい農法で栽培したブドウを、出来るだけ自然な醸造方法を楽しめるワイン造りを目指しています。
ドメーヌ・イチ
[名称]ドメーヌ・イチ/農地所有適格法人 株式会社自然農園グループ
[住所]北海道余市郡仁木町東町16-118
[ワイナリー営業時間]ワイナリーにお問い合わせください。
[概要]日本で初めてオーガニックワインを手がけた「ベリーベリーファーム&ワイナリー」が2020年に新設したワイナリー。代表取締役は上田一郎(うえだいちろう)氏。ワイナリーのある北海道余市・仁木エリアは気候と土壌条件に恵まれ近年多くのヴィンヤードとワイナリーが作られています。ドメーヌ・イチではピノ・ノワール、ピノ・グリ、ゲヴェルツトラミネールなどの醸造用ブドウ、昔からこの地域で栽培され続けてきたナイアガラや旅路などの食用ブドウ、そしてハイブリッド品種を有機JASと環境にやさしい有機農法で自社農園で栽培しています。環境と人にやさしい農法で栽培したブドウを、可能な限り自然な醸造方法によるワイン造りを目指しています。
金賞受賞のオレンジワインが、wa-syuオリジナルラベルで登場。ヤギのマークが目印の『ドメーヌレゾン』。
ドメーヌレゾン
[名称]ドメーヌレゾン/株式会社ドメーヌレゾン
[住所]北海道空知郡中富良野町東1線北4号
[ワイナリー営業時間]10:00~17:00
[カフェ営業時間]11:00~16:00
[概要]北海道富良野エリア(中富良野/富良野)に40ヘクタールの自社圃場をもつ、持続可能なエネルギーの循環「サスティナブル」をモットーにしたワイナリー。人間と自然がともに共存できる環境を目指し、ヤギたちを放牧場で自由気ままに走り回らせています。ヤギが草を食べ、走り回り、排泄物が土の肥料となる。その畑で育った、本州では栽培の難しいドイツ系品種を中心に、冷涼な気候に適した12種類のブドウを原料とし、ワイン造りをおこなっています。北海道富良野エリアで育つブドウのワインは、酸味の生きた爽やかな味わいが特徴です。ワイナリーの敷地内には、ドメーヌレゾンが提案する「サスティナブル」を表現したワインを販売するブティックや、ヤギミルクを使ったソフトクリームやパフェ、スムージなどを味わえる「グリル&農家レストランやぎカフェ」が併設されています。カフェのテラス席からは、絶景の十勝岳を一望でき、ゆったりとした時間を楽しめます。また、北海道の広大な自然に広がるこだわりのワイナリー見学ツアーでは、非日常を体験することができます。
素朴な味わいはレトロなラベルからも。『ばんけい峠のワイナリー』。
果実を酵母の力だけでワインに造り上げている『ばんけい峠のワイナリー』。添加酵母は一切使わず、ワインの製造工程で酸化防止剤を加えない”無添加ワイン”です。ワインの質を大きく左右するブドウ果実は、ひと房ずつ丁寧に手作業で選果。素朴で単純な醸造方法を取り入れた手造りワインは、葡萄の風味・酸味をしっかりと生かした味わいです。"樽人"を名乗る代表・田村修二(たむらしゅうじ)氏は、経済産業省で技術協力を担当。在職中に世界各地で地場産品作りに携わり、フランスにも渡り、地域に根ざした小さなワイナリーを巡った経験があるそうです。引退後に札幌市内のばんけい峠を拠点として活動。滝川市江部乙町(えべおつちょう)のリンゴでシードルの仕込みから始め、その後、仁木町(にきちょう)や壮瞥町(そうべつちょう)などで収穫したブドウでワインを醸造。そして2013年にはワイナリーでとれたブドウから札幌産の「峠の山ソービニオン」が誕生。ワイナリーでは収穫祭やワイン用ブドウの栽培講習会もおこなうなどで、地域の発展に尽力しています。
ばんけい峠のワイナリー
[名称]ばんけい峠のワイナリー/有限会社フィールドテクノロジー研究室
[住所]札幌市中央区宮の森4条11丁目20番2-211
[ワイナリー営業時間]10:00~17:00
※水曜・木曜を除く毎日
※テラスカフェ峠の茶屋:土曜・日曜の10:00〜16:00のみOPEN。一時休業している場合があります。
[概要]"樽人"と名乗る先代・田村修二(たむらしゅうじ)氏が北海道で生産される質の良いブドウなどの果実に着目し、地場産業の発展を目指して2001年に設立。札幌初の自然派ワイナリーとして知られ、酸化防止剤無添加にこだわり、フリーラン果汁のみを補糖なども行わず酵母の力で発酵させてブドウ本来の風味を生かしたワインを醸造しています。
日本初・北海道発のオーガニックワイン認定を取得した『ベリーベリーファーム&ワイナリー』。
醸造用ワイン葡萄生産高が日本トップクラスの北海道。中でも『ベリーベリーファーム&ワイナリー』が位置する余市・仁木エリアは、梅雨や台風の影響が少なく、夏は湿度が低く昼夜の寒暖差が大きいという気候と土壌条件に恵まれ、近年多くのヴィン・ヤードとワイナリーが作られています。『ベリーベリーファーム&ワイナリー』では、土壌作りから徹底したこだわりの管理をおこない、化学肥料や除草剤などの農薬を一切使用せずに有機JAS認定の健全な農作物を育て上げています。病気や害虫、雑草に対しても全て手作業で対応。またブドウの樹は通常より間隔を空けて植えるなどで、収穫率を低下させてまでも、美味しくて健全な良質のブドウを収穫しています。さらに、その果実本来の力と味を最大限に引き出すために、ワイン醸造歴40年以上のマイスターの指導の下で、体にやさしいオーガニックワインを製造。2011年に日本で初めてのオーガニック認証を取得しました。
※オーガニック認証には、有機JASの厳しい条件をクリアした農作物を原料として使用。添加物もほんのわずかしか使用を許されていないなど、厳しい条件があります。
日本ワインで、日本をもっと深く知る。
エリア別ワイナリーガイド。
日本の感性と職人技を生かした名品が次々と誕生し、国内外の食通を惹きつけながら、進化し続ける日本ワイン。南北に長い日本列島の各地で栽培・収穫されたブドウのみを使用し、日本国内で製造された「日本ワイン」は、その地域の気候や品種によって性質もさまざまで、そのため多様性に富んだ味わいが特徴です。北は北海道、南は九州・沖縄まで。日本全国より、wa-syuが厳選した50以上のワイナリーをエリア別ガイドでご紹介します。
▼「産地リスト」はこちら
ワイン造りの現場にwa-syuが特別インタビュー!
シリーズ・日本ワインが生まれるところ。
日本の感性と職人技を生かした名品が次々と誕生し、国内外の食通を惹きつけながら、進化し続ける日本ワイン。南北に長い日本列島の各地で栽培・収穫されたブドウのみを使用し、日本国内で製造された「日本ワイン」は、その地域の気候や品種によって性質もさまざまで、そのため多様性に富んだ味わいが特徴です。北は北海道、南は九州・沖縄まで。日本全国より、wa-syuが厳選した50以上のワイナリーをエリア別ガイドでご紹介します。
▼「産地リスト」はこちら
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